
江戸時代から伝わる、重要民族文化財に指定された伝統の技術を引き継いだ「復刻版浮世絵」は、熟練の職人技とこだわりの道具と素材から生み出されます。


熟練の技術で版木を刻む「彫り」。絵師の描いた版下絵を見て、何枚の版木が必要か見極める作業からその仕事は始まります。「主版(おもはん)」といわれる版下絵を元にしたモノクロの版、表情豊かな彩りを表現する「色版」。ひとつの作品に使われる版木は八枚以上。版木は堅い山桜の古木で作られ、小刀や透鑿(すきのみ)などを巧みに使い分けて彫っていきます。特に髪の毛の一本一本までも緻密に表現する「毛割(けわり)」は、まさに神業。短くとも十年の修行が必要な彫の技術をご堪能ください。
緻密に動く小刀
版木の墨線の両側に切れ込みを入れる緻密な作業。小刀の先端は紙よりも薄い。彫りの技術を習得する前に、小刀を研ぐ技術を得るのに何年もかかったといわれています。
版木の墨線の両側に切れ込みを入れる緻密な作業。小刀の先端は紙よりも薄い。彫りの技術を習得する前に、小刀を研ぐ技術を得るのに何年もかかったといわれています。
大胆に動く鑿↑
要らない部分を一気に削り取る「さらい」の作業に使う。さらう部分の幅を見て鑿を使い分けます。
彫師の指先となる大切な道具。
墨版(主版おもはん)
版下絵をもとに彫師が墨の版(主版)を彫ります。
版下絵をもとに彫師が墨の版(主版)を彫ります。
色版↑
絵師の色さし(配色の指示入れ)にそって、色版を彫ります。