熱中症に注意する季節になってきましたね!
みなさま、いかがお過ごしでいらっしゃいますか!?
金沢ぶん子も、熱中症にならないように気をつけています。
今回の
『アート大好き青野カエル的解釈の北斎・富嶽三十六景の旅』は、
見て涼感を楽しんでいただける作品解説ですよ〜。
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ある日の北斎さん。
さて、今日は天気もいいし、
前から見たかった青山の「円座の松」でも取材しに行こうか。
本所の長屋を朝早くに出発しまして、日本橋から新橋へ。
お城を右手に見ながら、お堀に沿って西へと歩を進めます。
今で言う、青山通りを西へ、ベルコモンズ跡地の先を
右に折れてキラー通りに入ります。
途中、右手の坂が勢揃坂(せいぞろいざか)。
登っていくと左手に富士山が見えてきます。
坂の頂上近くに、
お目当ての大きく青々と枝を広げた松がありました。
昼間から松見の宴会をしているグループを尻目に
早速竜岩寺の「円座の松」をスケッチ。
満足のいく絵が描け、
お弁当を食べながら竜岩寺の崖下を流れる渋谷川を見渡すと、
おや、あれは水車だね。ずいぶんとまた、大きいね。
どれ折角ここまで来たんだ、あいつもスケッチしていこう。
というわけで、かどうかは分かりませんが、
当時江戸の郊外にたくさんあった
水車のひとつを描いたのが「隠田の水車」です。
なぜ、カエルがこんな妄想をしたかと言うと、
「青山円座松」と「隠田の水車」の
ロケーションが凄く近いのにビックリしたからです。
何百メートル? 1キロは離れていない、目と鼻の先です。
水車は江戸末期には珍しいものではなかったから、
円座松を見に行った時にたまたま見つけて、
ついでに描いたとしか思えません。
隠田は今の住所で渋谷区神宮前辺りをさし、
モデルと言われる村越水車は、原宿竹下通りのすぐ近くです。
当時水車がたくさんあった渋谷川は、
暗渠となってキャットストリートと呼ばれています。
キディーランドの脇のオシャレな遊歩道の下は川なのですねぇ。
場所を地図で確認した後、「隠田の水車」を見ると、
現在からは想像もできないのんびりとした田園風景に驚かされます。
細マッチョの男子二人、
一俵60キロは入る、叺(かます)の米を土手に担ぎ上げ、
これから精米をするところでしょうか。
散歩中の僕は亀の水浴びに来たのかな。
水車は地域のほっとステーション的な役割を果たしていたようです。
北斎さん、大好きなぶんまわし(コンパス)を駆使して、
大きな水車を骨組みまで正確に描写しています。
生き物のような水の動きの観察はさすがです。
ガタン、ゴトンと杵をつく音と、
流れ落ちる水の音が絵の中から聞こえてくるようです。
渋谷駅の再開発で、
渋谷川が親水広場としてリニューアルオープンするとか。
水車小屋の復元とかあったらいいのに。
どんな感じになるのか、楽しみなカエルです。
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カエルの旅、次回もお楽しみに!