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広重ブルー、北斎ブルーの秘密

広重ブルー、北斎ブルー。
一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

いや、浮世絵ファンの皆様は
もうすでに「知っていますヨ」といった
ところかもしれませんね。

それでも…
秋の青空があまりにも美しいので、
今回は広重ブルー、北斎ブルーに迫ってみたいと思います!

広重ブルー、
あるいは
北斎ブルーとは
ベロ藍」という深い藍色のこと。
「ベルリン藍」がなまった言い方のようですね。

この美しい色「ベロ藍」は、なんと偶然に生まれた傑作だったのです。

ドイツ・ベルリン、
時は1704年頃のこと。
二人の科学者が合成化学顔料で赤い絵具を作ろうとしていたところ、
偶然にもこの藍色が発見されたといわれています。
この美しい藍色を目にした科学者たちの
昂る気持ちを想像すると過去のこととはいえワクワクします。

さて、その美しいベロ藍が
日本に入ってくるのは
時を経て、1752年以降のこと。
ところが大変に高価だったため、
使用されることはほとんどなかったのだとか。

1820年以降になって、中国から安価のベロ藍が入ってくると
浮世絵にもひんぱんに使われるようになったといいます。

それまでの
植物を原料とした青色は、
透明感はあったものの深みを表現するのは
得意ではありませんでした。
一方で、このベロ藍はまさしく墨に近く
濃い青はもちろん、薄めて使えば透き通る青になるため
表現の幅が一気に広がったのです。

多くの絵師がこのベロ藍を使うなか、
広重や北斎の表現力といったら皆さんご存知のとおり。

膨大にあるなかで
あえてこちら、広重の描いた東海道五十三次「沼津」。
1

藍一色の夕暮れのなか、
木々のむこうに大きな大きな満月。
巡礼の母子と修験道者のそばを静かに流れる藍色の川。
空と川の絶妙な藍の濃淡が、
凛とした空気を生み出し、
歩く足音だけが聞こえてきそうです。

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そしてこちらは北斎。
2

富嶽三十六景「東海道金の不二」。

もう見ているだけで心配になる
寄せては返す大きな藍色の波!
でもこの人たち、威勢良く波に乗って、
楽しそうに大きなかけ声なんて掛けながら
渡りきっていそうですね。
そして遠くに見えるは藍色の濃淡の空にくっきりと見える富士。
あぁなんだか元気になれる絵だと思いませんか?

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さて、そんなベロ藍。
本来の名前はプルシアン・ブルー

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印刷する時は
シアン(青)100%、マゼンタ(濃いピンク)80%で作られます。

落ち着いた色ですよね。
この色から受ける心理効果はいかほどに。

調べてみたところ、
冷静、静寂、自分の内側を探求、自立心、
癒し
などの効果があるとされています。

そういえば、
寝室に青い色を使うと深い眠りが得られるといいますよね。

落ち着いた静かな精神状態に導いてくれるのかもしれません。
「静」の文字には、青が含まれていますしね。

多くの作品を生み出した
広重や北斎がベロ藍をこよなく愛したのは
美しい色彩だからというだけではなく、
描きながら癒しの効果があったのかもしれません。
ベロ藍が多用された秘密はそこにもあったのかしら、なんて思います。
皆さんはどう思いますか?

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