金沢文庫 | 復刻版浮世絵木版画専門店
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2018年・初の浮世絵ネタは、あぁのんびり「武州千住」ですよ

みなさま、冬真っ盛りです!

いかがお過ごしでいらっしゃいますか?

今年もいろいろなネタを小出しに

みなさまを浮世絵の世界へいざなってまいりたいと思いますので

どうぞ、お付き合いのほど

よろしくお願いいたします〜!

さぁ、

アート大好きカエル女史がナビする

「青野カエル的*解釈の北斎・富嶽三十六景の旅」

はじまりはじまり〜〜!

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葛飾北斎 富嶽三十六景「武州千住(ぶしゅう せんじゅ)

隅田川に架かる千住大橋を渡って、
まっすぐ行けば江戸四宿のひとつ、千住宿になります。
その手前で、墨堤通りを左に折れてしばらく歩くと、
この大きな堰枠(せきわく)が見えてきます。(今はないですよ)

奥に見える川が隅田川で、釣りをしている小川は、
元宿村にあった用水路だそうです。
川で魚が跳ねる音と小鳥のさえずりなんかが
聞こえてきそうな、のどかな農村の風景です。

袴をまくり上げて水辺に陣取る二本差しのお二人、
何が釣れるのでしょうか。

左の御仁の長い竿の先を目で追えば、
晴れ渡る空にくっきりと浮かぶ富士山の姿が。

馬を連れた農夫も、つられて富士を仰ぎ見ます。

むむ? この構図、どっかで見たような。

「東海道 程ヶ谷」の馬子と馬を見てください。


二本一組になった松の木が途切れた隙間から、
富士山を仰ぎ見る様子。
二本一組の堰枠の切れ目から富士を望む農夫と馬、
そっくりではないですか。
面白い、馬の尾も白い、なんちゃって。

きっとこんなふうに晴れた日は、
日本各地で大勢の人が同じ様に富士山を
眺めていたってことなのでしょう。

千住の方は、馬の手綱に何か結び付けていますね。
それがおもりになって、
逆三角形の富士の相似形が表れています。
北斎さん、
隙あらば富士山の相似形三角は入れてきますね。

それにしても、お侍さんが昼間っから釣りとは、
随分とのんきなことですね。
お勤めの方は大丈夫なのかしら。

紀州和歌山の藩士が残した日記、
酒井伴四郎日記」を読むと、
当時の武士の勤務状況が分かります。

江戸に単身赴任していた酒井様の場合は、
平均すると出勤は週2回、
しかも朝8時から3~4時間勤務だったようです。
出勤日がない、
一ヶ月まるまるお休みなんてこともあったとか。
羨ましいかぎりです。

酒井様のような地方から江戸に詰めている
勤番武士もそうですが、旗本や御家人の中でも
閑職の人口は意外に多かったらしいのです。
そこで暇なお侍さんたちは、
内職や趣味に大いに励んだのでした。

なかでも、
趣味と実益を兼ねた釣りは大人気だったようです。
水路だらけの江戸や向島は丘釣りスポットだらけ、
隅田川や江戸湾では船釣りも楽しめました。

武士から始まり、庶民の間でも大ブームとなって、
老若男女問わず市中で釣りまくるものだから、
堀川から魚がいなくなったとか、で、釣り堀が
できて繁盛したんだとか。
とにかく、江戸の釣り熱は凄かったということです。

千住あたりでは何が釣れたのでしょうね。
今晩の食卓に鮒の煮つけなんか、のるといいですね。

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カエルの旅、

次回もどうぞお楽しみにね!