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月に一度の洗髪? それは江戸美人たちの美意識のあらわれ

秋たけなわの今日この頃、
風もひんやり冷たくなって
心なしか髪が乾燥気味です…。
乾燥対策でオイルを髪につけながら
ふと思ったのです。

江戸美人たちの髪型ってスゴイ!

あんなに手の込んだ髪型を作る
そのテクニックに今さらながら感動と驚きを覚えました。

しかも、あの髪型で
毎日ふつうに暮らしていたことにも驚愕です。

そこで
今回は江戸美人たちの髪に注目してみました。

こちらは寛政期の三大美人のひとり、
難波屋おきた、高島おひさと並ぶ
富本豊雛(とみもと とよひな)です。

1

新吉原の廓芸者のなかでも
断トツ人気だった豊雛さん。
歌や三味線、踊りなどの芸事に非常に長け、
特に浄瑠璃の冨本節を巧みに語る大人気芸者だったのです。

こうした芸者さんや歌舞伎役者さんは
プロの人が髪を結ってくれたのですが、
庶民たちは自分で結っていたのですね。
江戸時代の後半には庶民の間にも
プロの髪結いが登場し、
それが美容師さんの始まりなのだそうです。

さてその髪型ですが、
身分や階級、年齢や職業に
よって違いがあったそうです。
興味深いのは
未婚か既婚でも髪型が違うため、
ひとめ見ただけで
その女性のことはだいたいわかったのだとか。

ちょっとコワイですね!!

こちらはご存知、
みんなのアイドル難波屋おきたさん

2

おきたさんの髪型は、島田髷といって
日本髷の代表的なスタイルです。
未婚女子たちはこの島田髷をしていました。

左右に髪を大きく張り出し
なおかつ向こう側が透けて見えるように結う。
…これって神業じゃないですか!?

おきたさんもちゃんとむこうが透けていますが、
先に登場した富雛さんがもっとわかりやすいので
再登場↓

3

ちゃんと向こうが透けています。

しかし神業とはいえ、
髪を結うのはあまりに手間がかかるため、
毎日結い直すことなんてできませんでした。

ではどうしたのかといいますと
一度結い上げたら、一ヶ月くらいはそのままの
形でいられるように
油を大量につけてガチガチに固めていたのです。

夜眠るときも髪型が崩れないようにするため、
時代劇にも出てくるあの小さくて高さのある箱枕を
頭ではなくて首に当てて眠ったのです。
こんな感じですね↓

4

うーん…首が痛そうな気がしますが、
皆さんはどう思われますか?

さて、
結って出来上がった髪型を
ガチガチに油で固めていたため、
髪を洗うのは月に一度だったのだそうです!!
人によっては月に二回くらいでしょうか。

固まった油を洗い流すのは半日がかりの作業だったため、
頻繁に洗髪は出来なかったんですね。

たらいにお湯を張り、
固まった髪にお湯をなじませたら
『布海苔(ふのり)』という海草と『うどん粉』を混ぜ合わせ、
シャンプーのように髪になじませて洗います。
お湯ですすいで、最後に水を流すと
髪はツヤツヤ、気になる匂いもスッキリしたそうです。

月に一度の洗髪。
あぁどんなに気持ちが良かったことでしょう!!

髪を結うのも大掛かり。
髪を洗うのも大掛かり。

江戸美人たちの心の根底にあったのは
いつも美しくありたい

そんな心意気だったのでしょうね。

歌麿は江戸美人たちの美への追求を
とても優しい視線で描いていると思います。

そこであの豊雛さん、もう一度登場です。
https://www.kanazawabunko.com/?pid=60513423

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