岩下書店 | 復刻版浮世絵木版画専門店
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旅する人びと~東海道五十三次から世界へ~ 

すっかり秋模様の今日この頃。

一時期は寒暖の差が激しすぎて、もう冬に本格突入かと思いましたが、12月を目前にして少し秋の雰囲気を感じるのは私だけでしょうか?

さてさて秋といえば、食欲モリモリですが、やはり芸術の秋ですよねぇ~

この時期、様々なところで行われている展示会ですが、

浮世絵が取り上げられているところが多いですね。

そこで、今回はここ

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川崎市民ミュージアム

に行ってまいりました。

等々力アリーナを抱える等々力緑地の中に位置する川崎市民ミュージアムは

常設展以外にも展示会を2つ開催できるほどの規模。

かなり大きな施設だなぁというのが最初に入った時の印象。

多摩川沿いに位置するロケーションも最高で、晴れた午後のひと時を過ごすにはうってつけの会場でした。

今回はそこで行われた

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旅する人びと~東海道五十三次から世界へ~ 

を見てまいりました。

この展示会は『旅』をテーマに、江戸時代から昭和にかけての旅の仕方の変遷を切り口に、様々な浮世絵や旅道具、そして当時の旅行ガイドブックなどを展示していました。

江戸時代に街道が整備され、歩く旅が盛んになり、明治に入り鉄道、そして車を使い、より広域になった旅の様相を時代やテーマに分けて展示していました。

展示会のタイトルにあるように、歌川広重の東海道五十三次は浮世絵の中でも街道の名所絵として有名ですが、今でいう旅行ガイド的な側面もあったのではないかと思います。

江戸時代に旅行が一般的になったのは、浮世絵に代表される当時の出版社である版元がたくさん出現し、出版文化が華やかになると同時に、今でいう旅行ガイドブック的なものが数多く発刊され、それがきっかけで一般庶民にも旅が浸透したとのこと。

展示会内ではもちろん撮影禁止のためこちらでご紹介できないのが残念ですが、今まで知らなかった旅行に関する浮世絵や書籍が数多く展示されていました。

もちろん、みなさんがご存知の東海道五十三次の浮世絵も展示されていました。

旅の活気を伝えてくれる


こんな作品や

こんな作品も展示されていました。

旅の活気や楽しさが伝わってきますよね。

江戸時代の旅籠の食事なども模型で展示されていたのですが、

主菜の焼き魚に副菜の煮物、そして味噌汁に香の物、玄米ご飯

と思いのほか豪勢。もっと質素だと思っていただけに結構意外でした。

栄養的にもバランスがとれていて、現代人にもピッタリではないかなぁなんて思ったりしました。

時代は変わり、明治時代のコーナーに行くと、鉄道の旅がメインで紹介されており、

浮世絵も三代目広重などが描いていた異人さんが出てくるいわゆる

『横浜絵』

的なアプローチの作品が多く、それに加え鉄道の路線図を主にしたガイドブックが数多く展示されていました。

ここで目を引いたのは

吉田初三郎

大正の広重と呼ばれていた今でいうイラストレーターのような人物。

この人が描く鳥瞰図は本当に素晴らしいなぁと思いました。

鉄道の路線図が中心に遠方までを見越した鳥の目で見た鳥瞰図で

とても色鮮やかで緻密。

かといってかしこまっているわけではなく、随所に遊び心満載なんです。

見ているだけで楽しくて、思わず旅に出たくなってしまう!

現代でもそこまで思えるものってなかなかお目にかからないんじゃないかなぁなんて

思ったりします。

可能であればこちらで紹介したいのですが、撮影禁止だったので気になる方は調べてみてくださいね。

鉄道の旅が活況になるころには駅弁も登場。

当時の崎陽軒の駅弁の紙なども展示。デザインがなかなかクールでした!

今復刻しても受けるんじゃないかなぁなんて思ったりも。

まだまだご紹介したいところはたくさんあるのですが、語りつくせなくなりそうなので

最後はこの一言で締めたいと思います。

旅に出たいなぁ~

そんな気持ちにさせてくれる素晴らしい展示会でした。