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歌麿が描く、江戸美人の努力に脱帽

美女が両手に手鏡を持って
身だしなみをチェックしています。

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こちらの美女は
寛政期(1789〜1801)の三大美人と
いわれていたうちの一人、高島おひさ。

おひささんは、公儀御用煎餅屋兼水茶屋の長女で
かなりの資産家のお嬢様だったようです。

家で経営していた水茶屋におひささんが出たところ、
「えらい美人がいるぞ!!」と大評判に。
少し前の表現で言うと
“会いに行けるアイドル”になったようです。

こうした人気は
難波屋おきたさんも同様ですね。

難波屋のアイドル、おきたの恋と強運
浅草の水茶屋「難波屋(なにわや)」の看板娘、おきた。 歌磨に描かれたことで、おきたの人気はうなぎ上り。 この作品は「高名美人六歌撰 難波屋 おきた」です・・・

さて、当時も現代も
女性はほぼほぼ皆さん
『少しでも美しくありたい!』と思っているのではないでしょうか?
(これを書いている私もそうです!!)

目元にこだわる現代の化粧法と違い、
当時、江戸美人たちがこだわったのは
額と襟足
だったのです。

額は、いわゆる『富士額』が理想とされていました。
富士額とは生え際が富士山のような形をいいますよね。

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でもこれって生まれ持ったものですから、
残念ながら富士額ではなかった女性は
どうしたのでしょう。

なんと!
富士山の形に生え際を剃ってみたり、
墨で富士山の形を描いていたのだとか!!

…じつに大変な努力ですね。
夏の暑い盛りには、汗で墨が落ちてしまうこともあったでしょう。
江戸美人たちの美への努力、脱帽です。

そして襟足
こちらは襟を真っ白に白粉で塗り、
生え際はまっすぐ下にスッと伸びているのが美しい基準だったそうです。

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おひささん、
きっと自慢の襟足だったのでしょうね。

冒頭に書いたように
身だしなみをチェックしている姿ですが、
深読みをすると
あわせ鏡に映るうなじを見て
『今日もバッチリできたわ!』と
見入っているようにも感じます。

こうして自信をもって
お店に出ていたのでしょう。
まるで舞台に立つ前の女優さんのようですね。

そして姿勢にも注目です。
この姿勢、意外と大変だと思いませんか?
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右足は立て膝で
左足は座っていますよね、きっと。
背筋をピーンと伸ばし、この姿勢で
合わせ鏡を器用に操るおひささん。
慣れないと体がプルプル震えそうです…!!

江戸美人がいつも美しくあるために
影の努力を描いた本作品の詳細はこちらになります。
https://www.kanazawabunko.com/?pid=60513433

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