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冬と春の間を結ぶ、広重の『雪中椿に雀』

毎日とっても寒いですね。。。

早く春が来ないかしらん、
でも
この寒さだってあと一ヶ月もすれば
穏やかな気候になるんだわと思うと
妙に名残惜しかったり。。。

そこで
今の季節にピッタリな作品をセレクトし、
ちょいと深読みしてみようと思います。

歌川広重 大短冊判花鳥画
雪中椿に雀(せっちゅうつばきにすずめ)

深々と降るぼたん雪が寒さを物語っています。

椿の真っ赤な花びらと
深緑の葉、枝の上に重たげに雪が積もっています。

椿の花はまさに今の時期が見ごろ。
漢字を見ると、「木」に「春」。
椿は春を代表する神聖な木とされていたのだそうです。

さてそこへ、つがいの雀が巣作りに飛んできました。
一羽は羽を上に、もう一羽は羽を下におろした一瞬を広重は描きました。
羽の動きで見事な構図バランスをとっています。

二羽の雀が枝に止まると静かに揺れて、
積もった雪がはらはらと落ち、
真っ赤な花びらが顔を出すのでしょう。
雀たちの頭の上に雪が舞い落ちる可愛い姿も想像できますね。


「烏鳶争食雀争巣 独立池辺風雪多」
烏や鷲は風雪にあうとまず食べ物を争って求めますが、
雀は自分の巣を求めるという習性を表した一文です。


こちらを向いた雀の丸い顔がなんとも愛らしいですね。


花の柔らかさを出すために輪郭線をつけない没骨法を使います。

寒い風景を描いた作品にもかかわらず、
明るく爽やかな気配を感じるのは、愛らしい雀の姿と鮮やかな椿の赤、
そして薄水色の空のせいかもしれません。
春はもうすぐ、そこまで来ています。

爽やかな配色、可愛らしく仲良しの雀が描かれたこの作品は、
お部屋に飾ると可愛らしい和の雰囲気が作れそうですね。
巣作りの仲良し雀は新婚さんにもピッタリの作品だと思います。